増減見積依頼
増減見積依頼は、設計や条件が変わったときに、増えた/減った分の費用だけを出してほしい、という依頼です。
ポイントは「差分にしぼる」「根拠をそろえる」「期限を明記」の3つです。
どんな時に出す?
・仕上げ材の変更(例:タイル→塗装)
・仕様追加・削除(例:手すり追加、建具グレード変更)
・面積・数量の変更(例:間取り変更で壁量が増える)
・施工条件の変更(例:夜間作業になった、搬入経路が変わった)
依頼前にそろえるもの(最小セット)
・変更指示の根拠:変更前後の図面(改定日・版数入り)、指示メールや議事録
・変更点のメモ:どこが、どれだけ、なぜ変わったか(1〜3行でOK)
・対象範囲:建築のみ/設備は除外 などの線引き
・期限:見積の締切と、段階納品の希望(先に必要な部分があれば)
・書式:社内テンプレや科目表、単位・端数ルール
依頼書の書き方(コピペして使える項目)
・件名:【増減見積依頼】○○計画_仕上変更(外装タイル→塗装)_締切9/5
・本文(要点だけ)
・変更の理由と狙い(例:工期短縮のため外装を塗装へ)
・対象範囲(外装仕上のみ。下地は変更なし など)
・根拠資料(図面Ver.1.2/変更指示2025-09-01 添付)
・数量の前提(控除・端数・単位のルール)
・希望納期/段階納品(9/3に概算、9/5に確定 など)
・納品物(差分拾い表、増減内訳、前提メモ)
・添付:変更前後の図面PDF(変更雲囲みがあるとベスト)、仕上表、過去見積の写し(該当部)
・ひと目で「何が変わったか/どこまで見れば良いか」が伝わるほど、戻り(質問・手直し)が減ります。
Excelテンプレ(列例:差分拾い表)
部位|図面No|変更前(数量/仕様)|変更後(数量/仕様)|差分(+/-)|単位|補足(根拠・写真No)
簡単な計算例(数字でイメージ)
・外装:タイル → 高耐候塗装に変更(壁 600㎡)
・変更前(タイル):材料5,500円/㎡+手間2,200円/㎡= 7,700円/㎡
・変更後(塗装):材料1,800円/㎡+手間1,700円/㎡= 3,500円/㎡
・差額(減)=(7,700 − 3,500)× 600= 2,520,000円 減
・付帯の下地調整増:300円/㎡ × 600=180,000円 増
・純差額= −2,520,000 + 180,000 = −2,340,000円
※根拠(単価の出典、歩掛、下地条件)はメモや別紙で明記。
できる/できない(線引き)
・できる:変更差分の数量拾い、増減内訳、前提・注記の整理、段階納品
・できない:契約条件の決定、損害賠償の算定、設備詳細の精査(※別途相談)
よくある失敗と対策
・「全部やり直し」依頼になっている
→ 差分だけ依頼。変更前後の該当箇所を明記。
・図面Ver・改定日の記載がない
→ 依頼書の冒頭にVer.と日付を必ず書く。
・下地や付帯を見落とす(塗装→下地調整、タイル→役物・シーリング)
→ 影響範囲を広めにチェック、付帯項目をリスト化。
・単位・端数がバラバラ
→ 依頼時に統一ルールを提示(小数第2位四捨五入 等)。
・納期が曖昧
→ 「概算→確定」の2段階と日付を明記。優先部位があれば最初に指定。
チェックリスト(送る前に5つだけ)
・変更の前後資料(図面・指示)が添付されている
・対象範囲と除外が明確
・数量の前提(控除・端数・単位)を記載
・締切と段階納品の有無を書いた
・連絡先・戻し先(メール/チャット)が明記されている
依頼メールの文例(そのまま使える)
・件名:【増減見積依頼】○○計画_外装仕上変更_締切9/5
いつもお世話になっております。○○計画の外装仕上変更に伴う増減見積をお願いします。
・対象:外装(壁面)一式/下地は変更なし。付帯(シーリング・役物)は影響分のみ。
・根拠:変更前(図面 Ver1.1/2025-08-28)、変更後(図面 Ver1.2/2025-09-01)、仕上表改定版を添付。
・前提:単位は㎡、小数第2位四捨五入。開口控除済み数量でお願いします。
・納期:9/3 概算 → 9/5 確定。難しい場合は先に主要面だけでも可。
・納品:差分拾い表、増減内訳、前提メモ(PDF or Excel)。
不明点は本メール宛またはChatでご連絡ください。よろしくお願いいたします。
FAQ
Q1. 図面が連日差し替わります。毎回フル更新が必要?
A. 差分だけ拾い直します。変更管理表を共有すると早いです。
Q2. 付帯工事の範囲が曖昧です。どうすれば?
A. 影響しそうな項目を候補として列挙し、含む/含まないを依頼書で決めます。
Q3. 単価の根拠はどこまで必要?
A. 出典と日付(社内単価Ver、相見積No、歩掛×労務単価)を一行でOK。後日の説明が楽になります。
Q4. 期限が厳しい。どう依頼?
A. 段階納品を明記(例:先に概算、優先部位のみ先行)。必要なら拾い表のみ先出しも有効です。
Q5. 設備も含めたい
A. 設備は変動が大きいので、別依頼に分けるのがおすすめです。