内訳書

内訳書は、工事項目ごとの数量・単価・金額をそろえて並べた表です。
発注側・受注側で同じ前提を共有し、見積比較や査定、契約の話し合いをスムーズにします。


何のための書類?
・どの工事にいくらかかるかをひと目で把握するため
・相見積の比較軸をそろえるため
・変更があったときに、どこが増減したか追いやすくするため


基本の列構成(おすすめ)
・工事項目/サブ項目(例:内装仕上工/ビニルクロス貼り)
・仕様・条件(材料品番、下地条件、仕上範囲など)
・単位(㎡/m/式 など)
・数量(拾い表と一致)
・単価(社内単価や見積単価)
・金額(数量×単価)
・備考・注記(除外、端数処理、特別条件 など)


できること/できないこと(線引き)
・できる:数量と項目の整理、金額の素案化、注記の明記、比較表のベース作り
・できない:最終金額の確定(発注・値引きの決定は別工程)、契約条件の判断


作り方(5ステップ)
1.前提をまとめる:図面Ver、拾いルール(端数・控除)、対象範囲(建築のみ等)
2.数量を写す:拾い表の数字をそのまま内訳に反映(単位も統一)
3.項目を整理:工事項目→サブ項目→仕様の順に並べ、ダブりを排除
4.単価をあてる:社内単価 or 受領見積を参照(根拠をメモ)
5.チェック:合計値、桁、端数、注記の漏れを別目で確認


かんたんな例(数量→金額)
・前提:壁クロス貼り 66.8㎡、単価 1,100円/㎡(材料・手間込みの仮単価)
・計算:66.8 × 1,100 = 73,480円
・端数処理の例:73,000円に丸め(※丸めルールは事前に合意)
・注記例:開口控除済/天井高2.6m想定/巾木・パテ回数別途
ポイント:拾い表の数量=内訳書の数量を必ず一致させる。

単価の根拠(社内単価、見積写し、歩掛×労務単価 等)は備考や別紙に残す。


よくある失敗と対策
・数量が拾い表とズレている
 → 参照セルで連動させる/転記欄に単位と小数桁を明記
・注記が無い(除外・条件が不明)
 → 表の下に前提・除外・特記事項の固定枠を用意
・項目の粒度がバラバラ
 → 「工事項目 → サブ項目 → 仕様」の階層ルールを決めて統一
・単価の根拠が不明
 → “根拠”列 or 別紙で出典と日付を記録(後の査定が楽)
・合計が合わない/桁ミス
 → 合計セルは関数固定、通貨書式を統一、検算用に数量×単価の再計算セルを入れる


チェックリスト(提出前に5つ)
・拾い表の数量と完全一致している
・単位・小数点・端数処理が全行で統一
・除外条件・特記事項・前提が明記
・合計・桁・税区分(内税/外税)が正しい
・ファイル名に図面Ver・日付を含めた


納品物セットの例
・内訳書(Excel):上記列構成・関数入り
・数量拾い表(Excel):面積・長さ・本数・体積の各シート
・前提メモ(PDF/Excel):対象範囲、端数処理、控除ルール、除外
・根拠資料:単価の出典(見積写し、社内単価表、歩掛の参照)


FAQ
Q1. 自社の科目構成に合わせられますか?
A. 可能です。科目表・テンプレをご共有ください。
Q2. 単価まで入れてもらえますか?
A. 原則は数量積算までですが、限定範囲の仮単価なら対応します(根拠は明記)。
Q3. 途中で設計変更が出たら?
A. 差分拾いの上、変更箇所を太字や色で示した内訳を再提出します。
Q4. 税や諸経費の扱いは?
A. 原則、内訳は税別で作り、共通仮設・現場管理費などの間接費はまとめ行で扱います(事前ルールに合わせます)。
Q5. 見積比較に使いやすくできますか?
A. はい。比較用フォームに合わせて項目名や並びを調整します。