見積査定

見積査定は、提出された見積が妥当かどうかを、数量と単価、そして前提条件に分けて点検することです。
“高い/安い”の感覚ではなく、数字の根拠で判断します。


見るポイント

・数量:拾い表や図面と一致しているか(控除・端数・範囲)
・単価:社内単価/相見積/歩掛×労務単価の相場と比べてどうか
・前提条件:含む/含まない、運搬、夜間、搬入制限、保証などの条件差


手順(6ステップ)
1.資料を揃える:見積一式、図面Ver、仕上表、数量拾い表、社内単価、相見積
2.比較軸をそろえる:単位・端数・科目名を合わせる(りんごとみかん比較を避ける)
3.数量の逆積算:内訳数量が拾い表と一致するか確認(開口控除・重複を重点チェック)
4.単価の当たり確認:
・労務:数量×歩掛×労務単価の目安
・材料:最新の見積写し/社内表
・機械・運搬:条件に合っているか
5.条件差の洗い出し:夜間・高所・搬入制限・保証期間・手直し範囲など
6.質問票を作る:差額の大きい順に、根拠と前提を確認(交渉の優先順位も決める)


かんたんな例
例:ビニルクロス貼り 2,500㎡、見積単価 1,600円/㎡
・こちらの想定(仮)
 ・労務:歩掛0.25人時/㎡ × 3,500円= 875円/㎡
 ・材料:1,100円/㎡(ロス5%込み換算)
 ・機材・雑材:50円/㎡
 ・合計想定 ≒ 2,025円/㎡
→ 見積 1,600円/㎡ は安すぎ。要確認。


質問の例
・単価1,600円/㎡の前提は?(下地調整回数/パテ・テープ含む?)
・夜間/搬入制限は想定外?(あれば割増必要)
・ロス率は何%見込み?
・手直し対応や保証は含む/含まない?
逆に高い場合も、前提が厚い(下地調整多い、段階納品、短納期 等)だけかもしれません。
数字+前提でフェアに判断します。


できる/できない(線引き)
・できる:数量・単価・条件のチェック、差額の要因整理、質問票の作成、交渉材料の提示
・できない:最終の業者選定・価格決定(意思決定は発注者)、契約条件の確定


よくある失敗と対策
・数量が合っていない(控除漏れ/二重計上)
 → 展開図ベースで再計算。拾い表と一致させる。
・科目の粒度が違う(まとめ方の差)
 → 科目名と並びを比較用フォームに合わせ直す。
・条件の読み違い(夜間・運搬・保証を見落とし)
 → 冒頭で含む/含まないの線引きを表に明記。
・端数処理・単位がバラバラ
 → 小数・丸めのルール統一(例:小数第2位四捨五入)。
・“安さ”だけで決める
 → 仕上がり・工程・手戻りリスクの総額で判断。


チェックリスト(提出前に7つ)
・図面Ver・改定日と一致
・数量が拾い表と1対1で合致
・単位・端数処理が全行で統一
・条件(夜間・搬入・保証・手直し)が明記
・相見積 or 社内単価で当たりを確認
・差額の大きい項目から質問票を作成


質問票テンプレ(コピペOK)
件名:見積査定の確認事項(案件名/図面Ver1.2)
1) 科目:内装仕上工/クロス貼り 2,500㎡
想定との差:+△△円/㎡
確認事項:
- 単価の前提(下地調整回数・ロス率・手直し含む/含まない)
- 夜間・搬入制限の有無
- 段階納品の要否、短納期割増の有無
2) 科目:シーリング 1,200m
想定との差:+△△円/m
確認事項:
- プライマー・養生を含むか
- 高所割増の有無
- 保証や打替え条件


メリット / デメリット
メリット
・金額の理由が見える(社内説明・対外交渉が楽)
手戻りが減る(条件差の早期発見)
・VE(代替案)の検討点が見つかる
デメリット
・最初に手間がかかる(数字分解と照合)
・比較表が整っていないと揃える作業が発生
→ 対策:比較用フォームを固定し、いつも同じ型で受ける。


FAQ
Q1. 査定だけのスポット依頼は可能?
A. 可能です。見積書一式・図面・数量表をご提供ください。
Q2. 単価まで指定して戻すの?
A. 原則は根拠と差額要因の提示まで。単価の決定は発注者側の判断です。
Q3. 相見積が1社しか集まらない…
A. 社内単価+歩掛で当たりを作り、質問票で条件整合を優先します。
Q4. 改修でバラつきが大きい場合は?
A. 部屋別・工法別に小分けで比較。条件差を欄に書き分けます。
Q5. 守秘(NDA)は結べますか?
A. 事前締結に対応しています。弊社ひな形も用意できます。