値入れ
値入れは、積算で出した数量に、単価を当てて金額にする作業です。
金額の根拠をつくる工程で、労務・材料・機械・運搬・諸経費を整えて、見積や実行予算の数字に仕上げます。
何を当てる?
・労務単価:人の手間の単価(円/人時)。歩掛とセットで使う
・材料単価:品番ごとの仕入単価(ロット・時期で変動)
・機械単価:機械の稼働(円/h、円/日)
・運搬・諸経費:送料、リース、雑材、共通仮設や現場管理の配分 など
ポイント:数量は“積算の土台”、単価は“市場と社内の判断”。
どちらの根拠もメモを残すと、後の説明が楽です。
基本の式(考え方)
・労務費 = 数量 × 歩掛(人時/単位) × 労務単価
・材料費 = 数量 × 材料単価 ×(歩留り・予備を加味)
・機械費 = 稼働時間 × 機械単価
・小計 = 労務費 + 材料費 + 機械費
・合計 = 小計 + 運搬 + 諸経費(共通仮設・現管費 等)
社内単価と市場単価(違い)
・社内単価:過去実績から作る社内の標準。安定するが、相場変動に弱い
・市場単価:仕入・協力会社の見積。リアルだが、時期でブレる
→ 現実的には社内単価をベースに、重要品目は最近の見積で上書きするのがおすすめ。
計算例(数字でイメージ)
・例:クロス貼り 800㎡ の値入れ(仮)
労務:歩掛 0.25人時/㎡ × 労務単価 3,500円
→ 800×0.25×3,500= 700,000円
材料:クロス 1,100円/㎡(歩留り5%込の換算)
→ 800×1,100= 880,000円
機械:小型機材リース 5,000円/日 × 7日= 35,000円
運搬・雑材:40,000円(テープ・パテ等のまとめ)
小計= 700,000 + 880,000 + 35,000 + 40,000 = 1,655,000円
共通仮設・現管費の配分(例:小計の7%)= 115,850円
合計= 1,770,850円 → 端数処理 1,771,000円
※数値はイメージ。実案件では出典と日付を必ず残す。
できる/できない(線引き)
・できる:概算単価の当て、社内単価ベースの仮値入れ、相見積の反映、根拠メモの整理
・できない:発注確定の価格保証、購買交渉そのもの、設備単価の精査(※別途相談)
よくある失敗と対策
・単価の出典が不明
→ 「社内単価 2025Q1」「仕入見積No.123/2025-08-01」など出典と日付を記録
・材料の歩留り未考慮
→ タイル・石・クロスは**ロス率(3〜10%)**を先に決めておく
・運搬・雑材の抜け
→ “運搬・副資材”の固定行を各内訳に常備
・端数処理がバラバラ
→ 小数・丸めのルールを先に合意(例:100円未満四捨五入)
・相場変動を放置
→ 四半期ごとに単価表を更新、重要品は都度見積で上書き
チェックリスト(提出前5つ)
・単価の出典と日付が明記されている
・歩留り・予備が妥当(品目ごとに一律にしない)
・運搬・雑材・諸経費を入れ忘れていない
・端数処理が全行同じルール
・直近の相見積で主要品目を確認済み
管理テンプレ(最小セット)
・項目|数量|単位|歩掛|労務単価|労務費|材料単価|歩留り|材料費|機械費|運搬|小計|諸経費配分|合計|出典(見積No/社内表Ver/日付)|注記
FAQ
Q1. 値入れだけ依頼できますか?
A. 可能です。数量表と前提条件(端数・控除・範囲)をご提供ください。
Q2. 社内単価が古いかも。どう更新する?
A. 主要10〜20品目から相見積をとり、差が大きい順に上書き。四半期更新がおすすめ。
Q3. 労務費はどう当てる?
A. 数量×歩掛×労務単価で算定。歩掛は社内基準+実績で定期見直し。
Q4. 端数処理の決め方は?
A. 例:小数第2位四捨五入、100円未満切り捨てなどをプロジェクトで統一します。
Q5. 設備単価は?
A. 設備はメーカー・仕様差が大きく都度見積が前提です(建築の値入れとは扱いを分けます)。